勉強という名の読書タイム。
小説を書くための参考にしたいから、作家の性別、ジャンル、主人公の性別、視点を重視して選ぶ。
もちろんそれ以外でも惹かれれば読む。
今求めているのは、
- 作者の性別:女性
- ジャンル:恋愛
- 人称:一人称
- 主人公(語り手)の性別:女性
自分が書いてるのがそれだから。
今回手に取った作品はパーフェクト。
あらすじ
冴えない事務員とばかり思っていた20近くも年上の女に恋のトラブルを解決してもらった僕は、同じ日の夜、その女とほの暗い店の橙色の明かりの下で酒を飲んだ。昼間のもめ事についてくどくど詮索されることを恐れていると、女は放心したように、ほつりほつりと語りはじめた―。
(「BOOK」データベースより)
- 作者の性別:女性
- ジャンル:恋愛
- 人称:一人称
- 主人公の性別:女性
古本屋にて購入。
こんなカバーを見てしまったら買わずにはいられない。
ほぼ、カバーに惹かれて買ったようなもの。
上記の箇条書きに当てはまらなかったとしても迷わず買ったと思う。
裏表紙のあらすじにはあえて目を通さなかった。
冒頭の数行は読んだ。
男主人公の一人称だった。
実は下にもう1枚カバーがある。
カバーが2枚もあって得した!と思いきや、1枚目は幅広帯でこちらがカバーらしい。
たしかに帯のほうが若干小さい。
あらすじを読まなかったのは正解だった。
主人公が誰なのかわかってなかったから驚きがあった。
途中で登場したある人物のことも、裏表紙を読んでいたら最重要人物とわかってしまっていたが、知らなかったのでその後の展開を楽しめた。
「ラスト40ページで世界は暗転する」とのこと。
途中でページ数を見て逆算した。
410ページで終わってるから370ページあたりから暗転するんだと思い、近づくにつれてわくわくしてた。
370ページよりも前から暗雲は立ち込めていた。
さらに言うともっともっと前から危険な匂いはしていた。
ゆえにハッピーエンドの予感はしなかった。
それでも主人公にどっぷり共感してるから、なんとか救われて欲しい、幸せになってほしいと思ってた。
ラスト40ページで本当に変わった。
あ、突入したなとはっきりわかった。
そこからは特に夢中になって、あっという間に読み切ってしまった。
ああ、痛い痛い。
心が痛い。
だって、ねえ......ものすごくわかるよ。
他人事ではない。
表紙のチャートの通り、共感度MAXだった。
女性は共感度MAX、男性は恐怖度MAXらしい。
よかった、私、女だった。
恐怖も多少はあったけど、それよりも圧倒的に共感。
そしてまた読みたい。
超絶気になっている部分がある。
絶対に読む。
著者の山本先生は昨年亡くなられたそう。
直前までツイッターを投稿なさっていたことに心が痛む。
文章好きだし読みやすいし、ぜひ他の作品も読んでみたい。
素晴らしい作品を遺してくれてありがとうございます。
ご冥福をお祈りします。